地方にいる食品衛生監視員のブログ

あなたのお役に立ちますように(たまにネガティブなことも書きます…笑)

モチベーションの保ち方

今回の記事は現在、食品衛生監視員(略して食監)として各地で活躍している人に向けて、「モチベーションの保ち方」について書きます。

 

私が常々思っていることですが、食監という仕事は

影の仕事であり、

ほとんど感謝されず、

成果が目に見えずらく、

生産性のない仕事です。

かなりネガティブなことを言ってすいません。ただ、このブログは私と同じ悩みを抱えている全国の食監に対し、「こんなことを思っているのはあなただけじゃないよ」と言いたいがために開きました。

 

公務員と一口に言っても多種多様です。道路・公共設備を作る、人命を守る、魅力的な観光地にする、よりよい教育環境にする…。挙げればきりがないですが、公務員の職種の中でモチベーションがかなり保ちづらいのが食監だと思います。だからこそこの仕事を続けるべきなのか、本当にこのままでいいのか、誰かの役に立てているのか…。自問自答を繰り返してしまいます。嫌がられることが多いでしょう。業者とやり取りしていても、信頼関係を築けることは稀で、多くは空虚な感謝の言葉が浮遊します。市民からはやって当たり前、それだけの指導でいいのかと文句を言われることもあります。食中毒というハードな仕事を終えても誰からも感謝されません。食品表示の着色料の書き方が不適切で正しい書き方に直させた、厨房の区画がないからドアを付けさせた、ナンは飲食店営業なのか菓子製造業なのか。どうでもいいことも真面目な顔をして取り組まなければなりません。本当に大切な仕事は極わずかで、ほとんどの仕事は何の生産性もなく、時にはこんな仕事に意味なんてないんじゃないかと。定時になって一人、職場の窓から沈む夕日を眺めながら、そんなことを思う日が時々訪れます。

 

それでもこの仕事を続けなければならない人もいるでしょう。私の場合、ほかに興味を持てる仕事がなく、転職しても仕事の空虚さはつきまとうと性格なので、現状に甘んじています。ではモチベーションはどう保てばよいでしょうか。私は以下のことを心掛けています。

 

・別の職場の食監の同僚、先輩に仕事について語る

・定時後にデスクの整理をする

・過去の自分の体験を振り返り、成長を実感する

・尊敬できる食監を見つける

・やりがいを少しでも感じるという部分に力を注ぐ

 

尊敬できる食監がいると、その人を目指そうという気になりますし、同じ食監ならこの仕事のネガティブな部分も感じていると思います。私は最初の数年は自分が成長している実感がありましたので、仕事にやりがいをもてていた時もありましたが、さらに数年たつとまだまだ知らないことが多いのに、成長している感覚がなくなっていきました。これは良くないことだと思いますが、経験値が増えれば増えるほど、この仕事の無意味さ、生産性のなさ、空虚さが身に染みていきます。それが嫌でこういうことを心掛けているのですが、どうしてもモチベーションが上がらない時はあります。そんな時は無理にモチベーションを上げず、仕事の質を落としてもいいので、省エネモードで最低限のことを淡々とこなしましょう。この先、食監という仕事はどんなことがあっても大きく変わることはなく、相変わらず影の仕事で、ほとんど感謝されず、成果が目に見えずらく、生産性のない仕事です。誰が何と言おうとこの事実は変わることはないと思います。私は数えきれないくらい悩み、続けるべきか辞めるべきかの堂々巡りの日々を何度も過ごしました。こんなことを思っているのは私だけなんじゃないかと孤独感に苛まれることもありました。しかし、この事実を受け止めて、どうしたらこんな仕事が少しでも前を向いて取り組めるのだろうと模索していきたいと思います。この記事が全国各地で活躍する食監に届き、少しでも気持ちが楽になったら嬉しいです。